『操り人形の葬送行進曲』(あやつりにんぎょうのそうそうこうしんきょく、フランス語: Marche funèbre d'une marionnette、英語: Funeral March of a Marionette)は、シャルル・グノーが1872年に作曲したピアノ小品。作曲家本人によって管弦楽曲に編曲され、1879年に出版された。演奏時間は約4分。
概要
この作品は、グノーが普仏戦争の戦乱を避けてロンドンに住んでいた時期に作曲され、1872年7月13日にロンドンでピアノ版が出版された。この作品を完成させた後、グノーはほかの組曲をすべて放棄した。楽譜はヴィギエ夫人(Madame Viguier)に献呈されている。フランスでは1873年に出版された。
グノー本人による管弦楽版はフランスに帰国した後の1879年になって出版された。この編曲では、ピッコロ、フルート、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーン3、オフィクレイド、ティンパニ、バスドラム、シンバル、トライアングル、その他弦楽器を使うよう指示した。
音楽
曲は6⁄8拍子、ニ短調で、葬送行進曲につきものの重々しさとはかけ離れたバーレスク的な曲である。ピアノスコアには情景を示すさまざまな書きこみがなされている。
- 5小節のアレグロの序奏についで長いフェルマータがあり、「操り人形が壊れた (La marionnette est cassée !!!)」と書かれている。
- アダージョ。「劇団の嘆きのざわめき (Murmure de regrets de la troupe)」と書かれている。
- アレグレット。主旋律がはじまる箇所に「葬列 (Le cortège)」と書かれている。
- ニ長調に転調、「ここで劇団の主要人物たちが立ち止まって一服する (Ici plusieurs des principaux personnages de la troupe s'arrêtent pour se rafraîchir)」と書かれている。
- ニ短調の主旋律が戻ってくる。「帰宅 (Retour à la maison.)」と書かれている。すぐにpppで終わる。
使用
この曲は、とくにアメリカ合衆国のテレビ番組であるヒッチコック劇場(1955-1962年)のテーマ曲として使われたために有名になった。
ほかにシリー・シンフォニーシリーズの映画『地獄の悪魔退治』(1929年)などにも使用されている。
脚注
外部リンク
- 操り人形の葬送行進曲の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- 『グノー :操り人形の葬送行進曲 ニ短調』ピティナ・ピアノ曲事典。https://enc.piano.or.jp/musics/6478。




