ニュートン流体(ニュートンりゅうたい、英: Newtonian fluid)とは、ニュートンの粘性法則に厳密に従う流体である。名称は、イギリスの物理学者アイザック・ニュートンに因んで名付けられた。

ニュートン流体の流れのことを、ニュートン流動(英: Newtonian flow)という。また、ニュートンの粘性法則に従わない流体のことを、総称して非ニュートン流体という。

ニュートンの粘性法則

粘性とは、流体を動かすときに抵抗力が働く性質のことである。流体の粘性は、流体内部の摩擦によって発生するため、この抵抗力を「摩擦応力」と呼ぶ。

基本的に、摩擦応力は、流体−流体間または流体−物体間の速度勾配(速度の変化率)に比例して大きくなることが知られている。この法則がニュートンの粘性法則(英: Newton's law of viscosity)である。

直交座標による空間を考え、そこで流体による流れが存在すると考える。簡単のため境界等の効果は考えないものとする。このとき流体と流体(または流体と物体)は、その間にある面を境にして力(応力)を及ぼし合っていて、面に垂直な方向(法線方向)の単位面積当たりに働く力が圧力であり、面に平行な方向(接線方向)の単位面積当たりに働く力を接線応力あるいはせん断応力という。

流れている流体の粘性率を μ {\displaystyle \mu } (Pa·s), 流体の速さを u {\displaystyle u} (m/s), 流体−流体間または流体−物体間の距離を y {\displaystyle y} (m)とすると、接線応力 τ {\displaystyle \tau } (Pa)は、

τ = μ u y {\displaystyle \tau =\mu {\partial u \over {\partial y}}}

となる。この時、 u y {\displaystyle {\partial u \over {\partial y}}} (1/s)をこの流体のずり速度という。ニュートン流体では、粘性率 μ {\displaystyle \mu } がずり速度に依存せず、常に定数で表される。

より一般には、上式はテンソル表示され次のようになる。

τ = μ S , S i j = 2 ( i v j ) = v i x j v j x i {\displaystyle {\begin{aligned}&\tau =-\mu S,\\&S_{ij}=2\partial _{(i}v_{j)}={\frac {\partial v_{i}}{\partial x_{j}}} {\frac {\partial v_{j}}{\partial x_{i}}}\end{aligned}}}

ここで τ {\displaystyle \tau } は圧力テンソル、 S i j {\displaystyle S_{ij}} はひずみテンソルである。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 非ニュートン流体 - 粘性率 μ {\displaystyle \mu } がずり速度に依存するような流体
  • 流体力学
  • レオロジー

非ニュートン流体の粘度 科学技術計算ツール

【流体力学:牛顿流体与非牛顿流体】技术论文南北潮商城

ニュートン流体のグラフの傾き 100回薬剤師国家試験問52

【流体力学】非ニュートン流体って何?What is nonNewtonian? (eng sub)【fluid mechanics

粘度の世界vol.2 いろいろな非ニュートン流体 流体技術マガジン