弦楽三重奏曲Streichtrio作品45は、アルノルト・シェーンベルクが作曲した弦楽三重奏曲である。

概要

シェーンベルクは弦楽三重奏曲というジャンルを多くは作曲しておらず、初期にはいくつかの作品を作曲していたようであるが、いずれも完成されず、断片が残っているだけである。作品45の弦楽三重奏曲は、シェーンベルクが完成したこのジャンルで唯一の作品である。

この弦楽三重奏曲は、1946年にハーバード大学から作品の委嘱を受けて同年8月20日に着手し、1か月後の9月23日にかけて作曲されたもので、アメリカ亡命後の十二音技法による傑作である。また、シェーンベルクの持病である喘息の発作の体験が反映している(同年8月に心臓発作を起こし、医師の治療により一命をとりとめた)。初演は翌1947年に行なわれた。1950年に出版されている。

構成

作品は3つの部分と2つのエピソードから構成されており、速度記号は示されていない。演奏時間は約19分。

  • 第1部(51小節まで)
  • 第1エピソード(132小節まで)
  • 第2部(179小節まで)
  • 第2エピソード(207小節まで)
  • 第3部(208小節以降)

参考資料

  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー16 新ウィーン楽派』(音楽之友社)他

シェーンベルク:弦楽四重奏曲第1番 Op.7 ニコニコ動画

『弦楽三重奏曲集~シェーンベルク、ヴェーベルン、シュニトケ』 フーイファールツ・トリオ シェーンベルク(18741951) HMV

弦楽四重奏曲第1番、第2番、他 シェーンベルク四重奏団 ヤナーチェク(18541928) HMV&BOOKS online

シェーンベルク/ウェーベルン/シュニトケ:弦楽三重奏曲集(フイヴァールツ弦楽三重奏団) CC72375 NML ナクソス・ミュージック

シェーンベルク:『浄められた夜』ピアノ三重奏版、ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲、シューベルト:ノットゥルノ ハンブルク・トリオ(日本語解説付